ヘリコバクターピロリ菌とは

最近、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因として、ヘリコバクターピロリ菌が 注目されています。この菌は、胃・十二指腸の粘膜に寄生し、慢性胃炎の 主な原因となっています。また胃癌との関連も指摘されています。
40歳以上の日本人の80%が感染していると報告されています。
潰瘍で悩んでいる方、身近に胃癌や潰瘍の家族がいらっしゃる方は、ぜひご相談下さい。

胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因の一端

これは、もうかなりの報告があり間違いないと考えられています。
今まで潰瘍と言えばストレスやタバコが原因であり、再発を繰り返すことが非常に多いとされていました。現に胃薬が手放せない、薬をやめるとすぐ再発すると言う人はたくさんいると思います。
このような長年潰瘍に苦しんでいる人にヘリコバクターピロリがいるとわかった場合、除菌治療をすることで再発がかなり防げるという報告がたくさんされており、私自身この人はもう一生薬を飲まないといけないだろうというような人が劇的に良くなった経験をしています
この結果かなりの医療費の節約にもなり、長年の病院通いから開放されることは患者にとっては大変な朗報と思われます。

胃癌になるのを防げるかも!

ヘリコバクターピロリを除菌することで胃癌の発生が抑えられたという疫学的データがかなり報告されており、まだまだ異論を唱える人も多い分野ですがどうも胃癌とも関係があるようです。
それに加え、1994年WHO(世界保健機関)は、ヘリコバクターピロリが胃癌発生につながる病態の原因になるとして、WHO発癌物質分類のGroup1(確実な発癌物質)に認定しました。
症状のない人でもヘリコバクターピロリをやっつけると胃ガンになる可能性を減らせられます。

ピロリ菌に感染したらどうなる

☆ミ 胃炎や潰瘍になる人があります。
☆彡 無症状の人も
☆ミ 胃ガンには注意

  ピロリ菌に感染した方のほとんどが、慢性胃炎になります。慢性胃炎の状態では、症状が全くない人と、胃の痛み・もたれ感・不快感等の症状が現われる人があります。

 ピロリ菌に感染した人のうち、2~3%の方は胃潰瘍・十二指腸潰瘍になります。潰瘍の原因は、ピロリ菌だけではなくストレス・体質などの複数の要因が重なって発症に至ると考えられます。一度潰瘍になると、くり返し潰瘍をおこすことが多いようです。こういう場合は、除菌療法の適応になります。

 慢性胃炎の方で症状の無い場合は、当面は様子をみていいと思います。ただし、胃癌検診は定期的に受けてください。

ピロリ菌と胃癌の関係は

(;¬_¬) ぁ ゃι ぃ
とっても (;¬_¬) ぁ ゃι ぃ
めっちゃ (;¬_¬) ぁ ゃι ぃ
1994年WHO(世界保健機構)の国際癌研究機関(IARC)が、ピロリ菌を確実な発がん因子に指定しました。もちろん感染者のすべてががんになるわけではありません。多くの感染者は、無症状のまま慢性胃炎でとどまります。

 胃がんは、幼少期にピロリ菌に感染し、その後の食生活などを通して、発がん物質に長期にわたって暴露されることで、発生すると推定されます。除菌療法が、がん発生をおさえる効果があるのか、 大規模な臨床試験がはじまりました。 また発がんのしくみを解明するため、動物実験が精力的に行われています。その結果に期待したいと思います。

それでは 検査を受けよう。

検査法はたくさんあれど! お勧めは

  1. 胃カメラ!!
  2. 尿 又は 血液検査
  3. 放射性同位元素を使う
胃カメラで発見された胃潰瘍

胃カメラで発見された胃潰瘍

 

それでは やっつけよう!

検査をして
薬を飲むだけ!

(1) 胃・十二指腸潰瘍のある方、以前に潰瘍になったことのある方
(2) 潰瘍はないが、胃炎がある人
(3) 胃がんで手術または内視鏡治療を受け、胃の残っている方
(4) 一部のリンパ系腫瘍の方
やっつけよう!!

抗生物質を中心に、数種類の薬を併用して服用します。副作用がでる場合もあり、必ず医師の指導を受けながら治療して下さい。代表的な薬剤の組み合わせは、3種類です。
胃潰瘍または十二指腸潰瘍の方に対するピロリ菌の除菌療法は保険適応になりました。自己負担分は除菌治療だけに限ると3000~6000円位になります。

除菌治療の副作用は

ほとんどないようです。  除菌にあたっては、抗生物質を使いますので、腸の中の善玉菌も影響をうけて下痢をする人があります。下痢の程度は様々で、軟便程度から、水様便までおこる可能性があります。残りの半数の方は、薬を飲んでも全く副作用はみられません。
ペニシリンが含まれていますので、ペニシリンが合わない人は他の薬に代えていきます。

さあ
胃は大切に

胃の画像